コラム

酒類の区分と酒税法改正について分かりやすくまとめてみた。

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2020年10月に酒税法が改正されました。

当時は何となくビールと発泡酒の価格差が縮まるのか、くらいに思っていました。

この記事では、現在の酒類ごとの酒税と今後の酒税法改正についてできるだけ分かりやすくまとめています。

酒税法に基づく酒類の区分

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一覧を表にまとめました。

補足

その他の醸造酒はどぶろく(清酒と同じく米、米麹を原料として発酵させたもの「こす」工程がないもの)や新ジャンルのうち麦をまったく使わず、とうもろこしや豆類等のその他の穀物を原料とする酒類のこと。

甘味果実酒とはシェリーなどの酒精強化ワインを指す。

粉末酒はアルコールにデキストリンを加えて粉末状にしたお酒。粉末ワインはチョコレートやケーキなどの洋菓子に、粉末みりんは加工食品などに用いられている。

上の通り、酒税法上のお酒の種類は大きく分けると下記4つに大別されます。

  • 発泡性酒類
  • 醸造酒類
  • 蒸留酒類
  • 混成酒類

そしてこの中にもいくつか種類があり、種類によって税率が異なっています。

例えば発泡性酒類であれば、

  • ビール
  • 発泡酒
  • その他発泡性酒類

となります。

2020年10月改正後の酒税

2020年10月に酒税法が改正されたので、現在の酒類ごとの酒税をまとめました。

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例えば、アサヒスーパードライのようないわゆるビールに分類されるお酒だと1缶で70円もの酒税がかかっています。

私のよく行くスーパーではアサヒスーパードライが税込206円で販売されていました。

206円のうち、消費税が18円、酒税が70円含まれています。

つまり正味の価格は118円ということです。

そこでビールメーカーの多くは税率の低い発泡酒や新ジャンルに分類されるビール系飲料を販売しています。

新ジャンルは酒税が安いことから数多くのものが各ビールメーカーから販売されています。

例えばサントリー金麦の場合、税込126円で販売されていました。

126円のうち、消費税が11円です。金麦は新ジャンルのため酒税は38円です。

つまり正味の価格は77円です。

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発泡性酒類以外は分類がそれほど細かくないため、1つの表にまとめました。

焼酎やウイスキーなどはアルコール度数が高いほど税率は高くなります。

分類やアルコール度数にもよりますが、大体1Lあたり100〜400円程度が酒税分となります。

酒税法改正と最終的な目標について

2020年10月に酒税法が改正されましたが、今後も改正される計画となっています。

類似する酒類間の税率格差が商品開発や販売数量に影響を与えている状況を改め、酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点から、税収中立の下、酒税改正を実施します。

引用元:財務省 酒税に関する資料

具体的には今後2023年10月2026年10月に酒税改正がされます。

過去から現在、そして今後の税率に関して財務省のデータを引用してまとめました。

ビール、発泡酒、新ジャンル

beertax1財務省 「平成29年度税制改正」  *麦芽比率25%未満の発泡酒に掛かる税率

先程、ビール、発泡酒、新ジャンルでは酒税が異なることを説明しました。

ですが、上の図の通り、2026年10月には完全に酒税が54.25円に統一されます。

チューハイ

チューハイに関しては、 ビール系飲料ほどの酒税ではありませんが、2026年10月には35円になります。

清酒、果実酒

清酒(日本酒)、果実酒(ワイン)については2023年10月に1KLあたり10万円に統一されます。

1Lあたりだと酒税は100円です。

どうして酒税が改正されるの?

財務省は類似した酒類の税率の違いが不公平という名目で酒税統一に向けた改正を実施すると言っています。

ですが、本当のところはビールの販売量が年々減少(発泡酒や新ジャンル等の酒税の低いお酒の販売量が増加)し、飲用アルコールの税収が下がってきているからです。

販売が伸びてきている発泡酒や新ジャンル、チューハイなどの酒税を上げて税収を引き上げるのが目的です。

今後の酒税改正による影響

今後、酒税改正(酒税が統一)されるとどうなるでしょうか。

例えば普段ビールを飲む方は今後酒税が下がり、おそらく商品の販売価格も低下するため嬉しいですよね。
ビールの販売量増

一方でビールを飲みたくても高いので、普段は発泡酒や新ジャンルで我慢している方はどうでしょうか。

新ジャンルの場合、2020年10月の改正で酒税は350mLあたり37.8円だったのが、2026年10月には54.25円まで上がることになります。

つまり16円近程度の値上げが予測されます。
発泡酒、新ジャンルの販売量減

最終的に酒税が統一された場合、商品の差別化ができなくなるため、ラインナップが少なくなることが予測されます。
ビールは本格派と糖質オフなどの健康志向に二分?

せっかく酒税法から逃れるようにして、酒税の低い発泡酒や新ジャンルの商品開発に注力したメーカーがかわいそうですよね。

ビールの酒税自体は今後段階的に下がります。
これまで以上にビールの種類が増加

最近ではクラフトビールも流行ってきており、これまで以上に競争が生まれ、魅力的な商品が開発される可能性があります。